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見直されるステンレスの魅力
 錆びにくいことを最大の特徴とするステンレス鋼が、最近改めて見直されつつある。そのキーワードは「環境」と「リサイクル」。2001年4月の家電リサイクル法施行を例にとるまでもなく、近年、あらゆる製品や部品にリサイクル性の良さが問われるようになってきた。そのリサイクル性において、優等生ともいえる素材がステンレスなのだ。回収ルートやスクラップ市場がかねてより確立されており、スクラップの需要は安定してある。
 製品の生産工程においても、有機溶剤を使った塗装の必要がなく、環境負荷は極めて低いといえるだろう。また、耐久性・メンテナンス性においてもステンレスは優れている。持続的循環型社会への移行が叫ばれる中、ステンレスは各種製品の環境負荷低減を実現するキーマテリアルとして注目を浴びているのだ。


日本はステンレスの先進国
 ステンレスは、家庭用品から建築資材、輸送機器、エレクトロニクス製品、化学プラント、原子力発電所、航空宇宙産業まで幅広く利用されているが、このステンレスのNo.1生産国は、実は日本である。
 1970年代、日本は高度経済成長の波に乗って、アメリカを抜き、世界第一位の座に躍り出た。その後、東南アジアや欧米諸国のメーカーが本格生産に乗り出し、圧倒的格差はなくなったものの、それでも現在までNo.1の地位を確保している。世界市場への輸出実績もトップだ。資源の乏しい日本で、ステンレス鋼の生産高・輸出量は特筆に価する、まさに“国際商品”といえるだろう。
 一方、需要面で見ると、世界のステンレス鋼の需要推移は増加の一途をたどっている。環境とリサイクルをキーワードにステンレスの魅力が見直されている現在、世界の需要はさらに増大することが予測され、No.1生産国・日本の役割はますます重要性を増していく。
 

ステンレス製造・流通業界の構造
 ステンレス製造業は、巨大設備を要する装置産業である。すなわち、大量に生産しなければコスト高を招き、競争力を維持できない。ところが、日本のステンレス鋼メーカーは主要5社で年間約300万トンを生産しているのに対し、ヨーロッパや韓国では1社で年間100万トン以上を生産する巨大メーカーも出てきている。No.1生産国の座を脅かされかねない情勢なのだ。 
 こうした状況を背景に、我が国のステンレス業界では今、主要メーカーの合併・提携などによる業界再編が進んでいる。より多く生産してコスト競争力を維持するには、生産活動を集約するのが最も効果的だからだ。そして、ステンレス流通を担う商社もまた、主要取引メーカーに順ずるカタチで再編が進んでいる。熾烈な闘いは始まったばかりだ。

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